結論から言おう。このふたつは決して相反するものではなく、むしろ相互補完的な、あるいは"まったく同一のもの"だ。と少なくともぼくは思う。 ぼく個人の畑で例を取ってみるが、ことギターの演奏において、「技術力」と「表現力」とは常に対立した関係にある…
本日2月22日をもって全受験日程が終了したわけだが、果たして何が"終わった"のだろうと考えてみると、なかなかしっくりくる答えの浮かばないこと。 最終科目の試験終了を告げるチャイムを聞いて、ああ、これで終わったのかと一応は思ったものだ。しかし、そ…
吐いた息とその白さが教えてくれることみっつ。ここはすごく寒いのだということ。ぼくらはここに生きて呼吸しているのだということ。ぼくよりもきみのほうが体温が高いのだということ。最初のひとつはどうでもよくて、いまのぼくにとって重大なのは、残りの…
「ねぇ、秒速5センチなんだって」 いつかのクリスマス・イヴ。真っ白に染まった夜の町を窓ガラス越しに眺めながら、彼女はぼくにそう言った。 ――あれは、所謂”リア充爆発現象”――精神的充実による後天性体細胞結晶化症候群――の流行が始まった頃のことだ。ぼ…
夕暮れどきの教室。窓際の席に独り頬杖をついて、田園と少しばかりの民家が広がる地平線へ堕ちていく夕陽を眺めていた。時計の針は17時。いつもならもう予備校へ到着しているはずの時間だった。今日は19時を過ぎるまで講義はない。だからそれまでは自習室を…
はじめに タイトルの通り、この記事では<作曲家:麻枝准>の作曲技法についての私的考察を記す。 予め断っておくが、ぼくは音楽に関して「素人」である。むろんプロではないし、趣味の範囲では作曲活動も行っているが、音楽大学やそれに類する専門教育機関…
「――最近、いまいち曲が書けない」 いや、「曲」としての体を成すだけの音の羅列であればいくらでも作れるのだ。もしかしたらその曲を好きになってくれるひともいるかもしれない。某アイドルグループが歌えば初日でミリオンヒットになる程度の曲であるのかも…